これは批評ではありません。

布教と悪口とメモ/えんためはなんでもマル

『のだめ』ハマってますなんて今更言えない

文体を模索しています。

初回はです・ます調で、2回目は言い切り調でそれぞれ書いてみました。福岡演劇の感想だと、検索流入がありえるので、生意気だと思われたくなくてつい大人しぶります。ですがその他については気分次第というか、作品次第というか、ちょっとまだまとまりきらないのでしばらくはフラフラすると思います。ご容赦ください。

 

では本題。

 

のだめカンタービレ』がめちゃめちゃ面白い!!!

 

数年前に上野樹里玉木宏主演のドラマが話題になってたので、たぶんもうみんな知ってると思うんですけど、テレビ離れが著しい自分はU-NEXTで見て今頃になってハマっています。新刊漫画セットを揃えたくてもAmazonからすでに姿を消しているような現状。

 

周囲も「今更?」って感じで完全にひとり熱量を持て余しちゃってるので、ここで書き散らかしたいと思います。

(今回はアニメ版に関してのお話がメインです)

 

www.fujitv.co.jp

 

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アニメ のだめカンタービレより

ざっくりお話しすると『のだめカンタービレ』は、努力の天才指揮者・千秋慎一と天性のピアニスト・野田恵(通称のだめ)が出会い、世界へ羽ばたく音楽家へと成長していく物語です。1期では桃ケ丘音楽大学、2・3期はフランス・パリへと舞台を移し、個性的な面々を巻き込みながら目まぐるしく変化する彼らの周囲の景色。対照的に、音楽を介し、付いて離れて一歩ずつ信頼を温めていく千秋とのだめの関係が本作の魅力の原点だと思います。

 

正直2期(巴里編)は1期と3期のつなぎ感が強く、榎戸さんどうしゃったんですか!?という感じではあったものの、3期(フィナーレ)、そして何より1期が素晴らしかったです。1期のOP/EDから本編へと切り替わるタイミングは絶妙で、まさに演出。別の方のブログで『桜蘭高校ホスト部と並ぶ』と評されるのも納得の巧みさでした。もちろん曲のほどよいぬるさが3シーズン中最も好みだったというのもあるかもしれません。どちらにせよ、アニメの月9を語ったノイタミナ初期にぴったりでした。

 

全体についてはこれくらいで、ここからは特に推せる場面をピックアップします!

 

好きな演奏シーン4選

のだめカンタービレは音楽(オーケストラ)を主軸にした作品。原作は漫画ですが映像版では実際に演奏が流れるという強味があります。クラシックに興味がない私もたちまちに引き込まれた魅惑を演奏シーンを激選しました。

ラプソディ・イン・ブルー(G.ガーシュウィン)

1期 Lesson10「魅せるということ」

脚本:横谷昌宏 演出:橋本敏 絵コンテ:福田道生 作画監督:加藤万由子

 

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もう大好き。一番好きです。千秋が大学で任された落ちこぼれオーケストラ(Sオケ)がコンサートでエリートAオケを上回る演奏で大成功を収めた後の文化祭。仮装オケがやりたい!という意見によって、峰を中心にワイワイ楽しんで編成されたSオケ2度目のお披露目になります。有名な曲ですが、のだめではこれを大胆にピアニカアレンジ。それにより前オケでは参加できなかったピアノ科組・のだめもSオケと共演を果たすというのが見所ですね(ただし千秋とは共演できず)。

マングース(?)のコスプレをしたのだめのソロから始まるこの演奏。観客として見に来た千秋がコスプレを見て「のだめ...?」と不審がってから、演奏を耳にして「のだめだ...」と確信する場面が地味に萌えます。峰主導というだけあって、パフォーマンスに凝ったSオケの演奏は聞いて見て楽しめるお気に入りのシーンとなりました。

Sオケの演奏に刺激を受けた千秋がスランプを克服し、11話で奏でるラフマニノフも泣けるのでぜひ10・11話合わせて見たいところです。長くなっちゃった。笑

 

オーボエ協奏曲ハ長調(モーツアルト)

1期 Lesson18「覚醒」

脚本:土屋理敬 演出:高島大輔 絵コンテ:福田道生 作画監督:鷲田敏弥

 

コンサートを控えつつも、コンクールに挑むR☆Sの面々の中には意外な結果で終わるメンバーたちも多くいました。このオーボエ協奏曲でソロを務める黒木くんもそのひとりです。作中で武士と異名をもついぶし銀的オーボエ奏者の彼ですが、のだめに恋をし振られたことでコンクールでミスをし、実力を発揮することができませんでした。そんな黒木くんが完全復活するのがこの回です。

個人的にいいなと思っているのが、ここで描かれる黒木くんの性格。

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アニメ のだめカンタービレより

 

のだめに失恋した黒木くんは、うっかりリード(オーボエの吹き口、自作するようです)を水に浸しすぎてしまい万全な状態で臨めなかったために失敗してしまうのですが、ここが上手い。もし作者が私だったら、フラれたことで調子を崩す、なんてシナリオは100%演奏そのものでしくじったという展開にしちゃうと思います。自分のせいではなく道具の不備のせいというワンクッションを挟んだ上で、演奏中の彼のモノローグ。

「あのコンクールの悲惨な敗北の後でも、千秋くんやこのオケのみんなの僕への信頼は少しも変わらなかった。僕はその信頼に応えてみせる」

自分の失敗を重く受け止め、真っすぐな姿勢で向き合うその姿に全私が感動ですよ。このへんのバランス感覚は原作者・二ノ宮先生の手腕だなあと唸らされます。

 

しかしまさか彼がその後全シーズンに渡る活躍を見せるとは思いませんでした。好きな子なのでとっても嬉しいですけどね。松風雅也だしね!

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むの永遠のプリンスも松風雅也さん
 
③ピアノ協奏曲第1番ホ単調(ショパン)

3期 Lecon9

脚本:吉田玲子 演出・絵コンテ:鈴木洋平 作画監督:梶谷光春

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悩みに悩んだけど好きな”演奏シーン”だし、ということでこれです。

着実に実績を積み上げていく千秋に対し、なかなか前に進ませてもらえない自分に苛立ちを募らせていたのだめが、ついに悪魔シュトレーゼマンの手を取り鮮烈なデビューを飾ります。これは実質的に千秋とのだめの破綻であり、一種NTRの様相を呈すものです。客席で、淡々と曲とのだめについて語る千秋を見ていると、千秋とのだめの二人の交わりを描いてきたようなこの物語で、実際には彼らはむしろさまざまに交錯していることに気づかされます。

咲き乱れるのだめ。清々しくも残酷な二人の破綻は、様々な思い出を胸の内に去来させ後のクライマックスへと惹きつけてやみません。 

 

 ④もじゃもじゃ組曲(野田恵)

1期 Lesson17「無駄」

脚本:横谷昌宏 演出・絵コンテ:鈴木洋平 作画監督:加藤万由子、川田剛

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最後は異端児。

動画は該当話ではないんですけどねーなかったのでねー幸せの森をば。

もじゃもじゃ組曲は幼稚園の先生を目指してのだめが作っていた曲でした。コンクール嫌いののだめが、R☆Sオケでの千秋の活躍を見てようやく出場する気になった時に江藤先生(ハリセン)と交わした契約はもじゃもじゃ組曲を完成させること。その完成回が17話です。なんだかんだ本気で作曲しちゃった江藤先生が最高に可愛く(あと曲も素晴らしく)私の再生回数が一番多いシーンですね。原作にちょこんと描かれた森の住人達の動きが、アニメではよりコミカルに捉えられていて好きです。脚を小刻みに動かす動作なんかはのだめの妄想そのまま表しているようでたまらないです!

 

 ピックアップからは外したものの、巴里編でのきらきら星や二台のためのピアノソナタなど私が好きな演奏はまだまだあります。次は好きな場面をピックアップしてお話したいのですが、記事が長くなっちゃったし、原作のオペラ編をまだ読めていないので漫画を読破してから改めて書き連ねます。笑

 

あーー、ピアノもっと真面目にやっときゃよかったな。

 

※これは批評ではありません。

※これは批評ではありません。